BLOG
kintoneの「プロセス管理」って?フィールドによるステータス管理とはひと味違う、便利な機能をご紹介


はじめに
業務の進行状況を管理する際、「今、誰が対応中なのか」「次は誰に回せばいいのか」といった情報を把握するのは意外と大変ですよね。Excelやスプレッドシートで管理している場合、ステータス欄を手入力で更新したり、担当者に口頭で確認したりと、手間がかかる上にミスも起こりがちです。
kintoneには、こうした課題を解決する「プロセス管理」という便利な機能があります。この記事では、ITに詳しくない方でも理解できるよう、プロセス管理の基本から実際の活用例まで、わかりやすく解説していきます。
プロセス管理とは?普通のステータス管理との違い
Excelによる一般的なステータス管理の課題
多くの企業では、業務の進捗を「未対応」「対応中」「完了」といったステータスで管理していると思います。ただし、これらをExcelのドロップダウンで管理する場合、以下のような問題が起こりがちです。
- 誰でも自由に変更できてしまう:本来は承認者だけが「承認済み」にすべきなのに、申請者が誤って変更してしまう
- 処理の順番が守られない:「申請中」→「承認済み」→「完了」という流れがあっても、いきなり「完了」に変更できてしまう
- 担当者が不明確:今、誰が対応すべきなのかがパッと見てわからない
- 通知が漏れる:ステータスが変わったのに、次の担当者に連絡し忘れる
kintoneの「プロセス管理」ならこう解決
kintoneのプロセス管理は、業務の流れ(ワークフロー)をシステムに組み込んでしまう機能です。具体的には次のような特徴があります。
1. ステータスごとに操作できる人を制限できる
例えば「申請中」というステータスでは申請者本人しか編集できず、「承認待ち」では承認者だけが承認ボタンを押せる、といった設定が可能です。これにより、権限のない人が勝手にステータスを変更してしまうミスを防げます。
2. 業務の流れに沿ったボタンが自動で表示される
「申請する」「承認する」「差し戻す」といった、その時点で必要なアクションだけがボタンとして表示されます。次に何をすればいいのかが一目瞭然で、迷うことがありません。

3. ステータスが変わると自動で通知される
プロセスが次の段階に進むと、担当者に自動で通知が届きます。わざわざメールやチャットで「承認お願いします」と連絡する手間が省けます。

4. 誰が、いつ、何をしたのかが記録される
各ステータスで誰が承認や差し戻しをしたのか、いつ処理されたのかが自動で記録されます。後から「誰が承認したっけ?」と確認する際にも便利です。

具体的な活用シーン
プロセス管理がどんな業務で役立つのか、具体例を見ていきましょう。
事例1:稟議・承認申請
業務の流れ
申請 → 上長承認 → 部長承認 → 経理確認 → 完了
プロセス管理を使うメリット
- 申請者は「申請する」ボタンを押すだけで、自動的に上長に通知が届く
- 上長が承認すると、自動で次の承認者(部長)に回る
- 差し戻しがあった場合も、申請者にすぐ通知され、修正後に再申請できる
- 誰の承認待ちなのかが可視化され、滞留している案件をすぐに発見できる
事例2:問い合わせ対応管理
業務の流れ
受付 → 担当者割当 → 対応中 → 確認待ち → 完了
プロセス管理を使うメリット
- 受付が、「担当者」フィールドに対応担当者を登録し、「担当者割当」ボタンを押すと、選んだ担当者に自動で通知
- 担当者は自分の対応が必要な問い合わせだけを一覧で確認できる
- 「確認待ち」状態では顧客が返信するまで編集できないよう条件設定し、誤操作を防ぐ
- 各段階での対応者と対応日時が記録され、対応品質の振り返りに活用できる
事例3:採用選考プロセス
業務の流れ
書類選考 → 一次面接 → 二次面接 → 最終面接 → 内定
プロセス管理を使うメリット
- 各選考段階で評価担当者を設定し、該当者だけが評価を入力できる
- 採用プロセスを進めると、自動で次の面接官に通知される
- 不合格の場合は専用のステータスに移動し、人事担当者が一括で不採用メールを送れる
- 各段階での評価コメントが時系列で記録され、選考履歴が一目でわかる
プロセス管理の設定方法
実際にプロセス管理を設定する際の基本的な手順をご紹介します。
ステップ1:アプリの準備
まず、管理したい業務内容を入力できるアプリを作成します。稟議申請であれば、「件名」「申請内容」「金額」などのフィールドを用意します。

ステップ2:ステータスの設定
アプリの設定画面から「プロセス管理」を選択し、業務の流れに沿ったステータスを定義します。
例:未申請 → 申請中 → 上長承認待ち → 部長承認待ち → 承認済み

ステップ3:作業者の設定
各ステータスで誰が作業できるのかを設定します。
- 「申請中」:申請者本人のみ
- 「上長承認待ち」:上長グループのメンバー

ステップ4:アクションの設定
各ステータスで表示するボタン(アクション)を設定します。
- 「申請中」では「申請する」ボタン
- 「上長承認待ち」では「承認する」「差し戻す」ボタン

ステータスが変更されたときに、次の作業者に自動で通知が送信されます。
設定が完了すれば、すぐに使い始められます。プログラミングの知識は一切不要で、画面上の設定だけで実現できるのがkintoneの魅力です。
プロセス管理を使う際のポイント
シンプルな流れから始める
最初から複雑なワークフローを作ろうとすると、設定も運用も大変になります。まずは主要な流れだけを設定し、運用しながら必要に応じて改善していくのがおすすめです。
イレギュラー対応も考慮する
実際の業務では、承認者が不在で代理承認が必要になったり、緊急案件で途中の承認をスキップしたりすることもあります。そうしたイレギュラーケースにも対応できるよう、あらかじめ設定しておくと安心です。
関係者に事前説明する
新しいシステムを導入する際は、関係者全員に使い方や目的をしっかり説明することが大切です。特に承認者の方々には、どのように通知が届き、どこで承認操作をするのかを丁寧に伝えましょう。「ラベル」フィールドを用いて、kintoneの画面上に操作説明を追加してもよいでしょう。
まとめ
kintoneのプロセス管理は、単なるステータス管理ではなく、業務の流れそのものをシステム化できる機能です。適切に設定すれば、次のような効果が期待できます。
- 業務の進行状況が可視化され、滞留や遅延をすぐに発見できる
- 承認や確認の漏れがなくなり、業務の品質が向上する
- 誰が何をすべきかが明確になり、担当者の負担が軽減される
- 作業履歴が自動で記録され、監査やトラブル時の確認がスムーズになる
「今の業務の流れをもっとスムーズにしたい」「承認フローをデジタル化したい」とお考えの方は、ぜひkintoneのプロセス管理機能をご検討ください。
kintoneの構築代行は、チョイデジ株式会社におまかせ!
kintoneは、ノーコードでアプリを構築できるため、設定自体は非常に簡単です。しかし、基幹システムのような複雑な業務ロジックや、特定の細かい要件に対応しようとすると、標準機能だけでは解決できない壁に直面しやすいという側面もあります。
実際に、kintoneを導入されている企業様から、「アプリの作成自体はスムーズに進められたが、標準機能では実現できない動作や機能(例:複雑な計算、外部連携、特殊なグラフ表示など)を実装したい」とお問い合わせいただいたこともございます。
チョイデジでは、こうしたお悩みにお応えするため、以下のようなサービスを提供しています。
ノーコード・ローコード開発サービス
kintoneは標準機能が豊富で柔軟なカスタマイズが可能な一方、業務に合わせた調整には専門的な知識が求められることもあります。「ノーコード・ローコード開発サービス」では、kintoneをはじめとするノーコードツールの設定・カスタマイズの代行から運用サポートまで、包括的にご支援いたします。
クラウド導入支援サービス
業務改善のためにクラウドサービスの導入を検討していても、「どのサービスが自社に合っているのか分からない」「必要な機能をどう整理すればいいのか迷う」「ベンダーとのやり取りや初期設定に手が回らない」といった課題を抱える企業は少なくありません。「クラウド導入支援サービス」は、そうしたお悩みに対して、kintoneを含むクラウドサービスの選定から初期設定までを一気通貫でサポートするサービスです。
カスタム開発サービス
ノーコード・ローコードツールやパッケージソフトは手軽に導入できる反面、複雑な業務要件への対応や画面デザインの変更といった高度なニーズには対応しきれないことがあります。「カスタム開発サービス」は、そうした標準機能では対応しきれない業務課題に対して、コーディングを伴う開発を行うサービスです。
DXアドバイザリーサービス
デジタル化を進めたいと考えていても、「何から手をつければいいのか分からない」「kintoneのようなツールを導入しても、業務全体の改善につながるか不安」といった声を多く耳にします。「DXアドバイザリーサービス」は、お客様の現状を丁寧に分析し、業務全体の段階的かつ実現可能なDXの道筋をご提案するサービスです。
ITよろず相談サービス
「ITよろず相談サービス」は、“身近なIT相談窓口”として、kintoneをはじめとするIT全般のお悩みにお答えする、月額定額制のサポートサービスです。「kintoneの構築を依頼するほどではないが、設定について気軽に相談できるパートナーが欲しい」といった方にお薦めのサービスです。
チョイデジ株式会社について
私たちは「ちょっとずつ、ちょうどいいデジタル化。」をコンセプトに、お客様に寄り添ったIT活用・DX支援を行っています。ノーコード・ローコードツールの導入支援から、カスタムシステム開発まで、幅広くサポートいたします。
ご相談・お問い合わせは、以下のフォームからお気軽にお寄せください。
最新NEWS
- インターンシップ説明会参加のご報告 センダイシゴト体験をまるっと知ろう!~長期有給就業体験・インターンシップ説明会~
- 【お知らせ】Cybozu Days 2025 ~ノーコードAIランド~ に出展しました!
- 『今日からできる物流DX勉強会』第2回アーカイブ配信公開のお知らせ ~株式会社invox 藤原弓天氏が語る「invoxで実現する紙ベース業務のデジタル化」~
- 【お知らせ】ノーコード・ローコードツールに関する記事を監修しました!
- セミナー講師登壇のご報告(みやぎ産業振興機構 DX経営人材育成塾)
DX DXアドバイザリー DXコンサルティング DXコンサルティング 中小企業 IOT IT IT活用 IT活用 省人化 高効率経営 kintone kintone 公式コンサルティングパートナー RPA SaaS souco ウェビナー クラウド導入支援サービス サイボウズ システム システム開発 セミナー チョイデジ デジタル化 データベース ノーコード ノーコード・ローコード開発サービス ノーコード・ローコード開発支援 バックオフィス バックオフィスDX ペーパーレス マスタ管理 ローコード 不動産 効率化 宮城県 東北 デジタル化支援 次世代経営 物件マッチング 物流 物流DX 産業DX 省人化 経理 経理DX 自治体 自治体DX 高効率経営