クラウドサービス導入の進め方①:導入準備

23/08/29 |Blog クラウドサービス導入の進め方①:導入準備

<目次>

    1. チーム作り
    2. 計画の策定
    3. キックオフ
    4. 使い方の習得

クラウドサービスの導入を進めるうえでの土台:導入準備

前回の記事では、「クラウドサービスの導入ステップ」「クラウドサービスの導入を成功させる3つのコツ」についてお伝えしました。

クラウドサービスの導入には、これらに加え、前段階として「導入をはじめる準備」も必要不可欠となります。

今回は、クラウドサービスの導入を円滑に進めるための基礎となる、「導入をはじめる準備」について分かりやすく解説します。前回記事と内容が重複する箇所がありますが、どれも重要なポイントとなりますので改めて確認してみてください。

本記事に加え、後編では「クラウドサービス導入の進め方②」「クラウドサービス導入の進め方③」の3つの記事をお読みいただければ、確実なクラウドサービスの導入・定着を実現することができますので、ぜひこれらも併せてご覧ください。

プロジェクトの全体を見据えた導入準備

最初から要件の整理やシステムの設計・構築をはじめるのではなく、プロジェクトの全体を見据えた準備から行うようにしましょう。

具体的には、「関係者を集めてチームつくりをする」「何を、いつまでに、誰が作るのか計画を立てる」といった点を検討する必要があります。

準備には4つの段階があります。

  1. チーム作り


    まずは、導入プロジェクトに必要なメンバーを集め、プロジェクトチームを作ります。クラウドサービスの導入には様々な部門の担当者の視点が不可欠です。

    クラウドサービスの導入を成功させるコツ」の記事でもお伝えしましたが、導入の各ステップで発生する多様な問題・調整にうまく対応するためにも、以下の4つの立場のメンバーでチームを結成しましょう。
     
    1. 決裁者
      クラウドサービスの導入を決めた決裁者は、システム導入の目的を社内にあらかじめ周知しましょう。周知を怠りチーム内でのみプロジェクトを進めようとしても、後に肝心のシステムの利用者からの反対や抵抗に遭ってしまいます。

    2. 現場責任者
      現場をよく知る現場責任者は利用者からの意見を拾い、運用の調整や利用者からみたシステムの利便性の確認などを行います。

    3. プロジェクトリーダー
      プロジェクトリーダーは、プロジェクト全体の進捗管理のほかにシステムの問題点への対応策の決定を行います。全社的な視点を持ち、他部門との連携が取りやすい人物が理想です。

    4. 構築担当者
      構築担当者は、現場責任者からシステムに関する利用者の意見を参考にシステムの構成の設計や構築・設計作業、利用者への教育を行います。実際にシステムを作っていく作業が中心となるため、システムに強い人物が適任となります。

    4人の会社員
  2. 計画の策定


    次に、クラウドサービス導入の計画を策定します。

    計画の策定は、本記事で取り上げている「導入を始める準備」の中でも特に重要です。しっかりと具体的な計画を立てなければ、その後の導入準備や、導入ステップに大きな悪影響を及ぼしてしまいます。あいまいさを排除し、システムの導入までを一気貫徹で見渡した上での具体的な計画を策定することが求められます。

    具体的には、4つの観点で検討を策定しています。
     
    1. 「なぜ」このシステムを導入するのか?
      まずはシステムを導入する目的や解決したい課題を明確にします。

      ここで注意しなければならないのは、「数あるクラウドサービスの中でも、なぜこのシステムを導入する必要があるのか」を明確にする事です。

      単に「ある課題を解決したいから」「業務効率化を達成したいから」では不十分です。「このシステムにはこのような機能があり、これは自社が抱えるこのような重要課題の解消に役立ち、結果としてこのような業務効率化を図れるから」などと、活用したい機能と具体的な使い方や、他のクラウドサービスとの差別化ポイントなども明確にしていきながら、具体的な目的を掲げることが理想です。

    2. 「何を、どこまで」作るのか?
      次に、構築範囲(スコープ)を決めましょう。

      クラウドサービスは確かに便利ですが、すべての課題を一気に解決できるわけではありません。自社の課題をすべて列挙し、これらをすべて解決する計画を立てることは非現実的です。

      「クラウドサービスの導入ステップ」でも触れたことですが、ここでもスモールスタートを意識し範囲を策定することが重要となります。特に解決せねばならない重要課題、ボトルネック等を特定し、まずは必要最低限のシステムの設計を計画しましょう。課題解決の優先順位付けが難しい場合は、課題解決により実業務に与えるメリットの大きさと、対応の容易さで整理すると、考えやすいです。

    3. 「いつまでに」作るのか?
      次に、運用開始日を明確にしましょう。

      運用開始日を明確にすることで期日に向けたタスクとその全体像を明確に把握できるようになり、ムダのないステップを着実に積み上げていくことができるようになります。また、確実な導入に向け無理のないスケジュールを組むことがポイントです。「クラウドサービスの導入を成功させるコツ」でも述べたように、導入ステップは概ね3ヶ月程度で計画するとよいです。

    4. 「誰が作り、誰が決めるのか」?
      システムの構築には多くの修正・調整がつきものです。構築担当者が中心となりシステムの構築を行っていくことはもちろんですが、問題が発生した際に担当者が一人で対処することは困難です。

      したがって、問題が発生した際に意思決定を行う人物を、構築担当者とは別に決めておくことも重要なのです。経営層や事業部門の責任者の方に担って頂くと、全社的な取組となり、関係部署との調整もしやすいのでお勧めです。
  3. キックオフ


    ここでは、システムの導入計画の認識をプロジェクトメンバーで統一するようにしましょう。全員で同じゴールを見据え、ペースを認識し、同じ地図を共有することでプロジェクト全体の可視化・加速化を図ることができます。

    キックオフの際は、メンバー全員で以下5つの項目を確認するようにしましょう。
     
    1. 目的

    2. 課題

    3. 全体の構築範囲

    4. 初期構築の範囲(スモールスタートを意識)

    5. スケジュール
  4. 使い方の習得


    最後に、導入するシステムの使い方を様々なコンテンツを利用して習得しましょう。

    世の中に普及しているクラウドサービスは、こういった研修コンテンツも充実しています。システムによってコンテンツの種類や形式は異なりますが、以下のようなコンテンツを利用すると効果的です。それぞれの立場で見るべきコンテンツは異なるので、導入前に整理しておくとよいでしょう。
     
    1. 動画コンテンツ
      多くのシステムでは、基本的な操作方法についてまとめられた動画コンテンツをYouTubeなどを通して閲覧することができます。実際の操作画面を見ることもできるため、システムの利用についてより具体的なイメージを持つことができるようになります。

    2. コミュニティサイト
      各種マニュアルやFAQ、チェックリストなどがまとまっているWebサイトを活用することも有効です。なかにはシステムの利用ユーザーが集まるコミュニティがあるシステムもあります。ユーザーどうしのやり取りを通じたヒントを集めることができたり、お役立ち情報を得ることができたりします。

    3. 演習ツール
      また、実際の利用イメージを膨らませるうえで有効なコンテンツとして、演習ツールを提供しているシステムもあります。演習を通じてシステムをゼロから構築する体験ができるので、これを活用することで構築ステップでスムーズに構築ができるようになります。

    4. サポート
      上記3つのコンテンツを活用しても操作方法や設定方法などが分からない際にはサポートに相談してみましょう。サポートの体制はシステムによって電話、相談フォーム、Eメールなどと様々ですので、あらかじめ確認しておきましょう。

導入準備がクラウドサービスの導入・定着化の成否を決める

今回は、「クラウドサービスの導入ステップ」「クラウドサービスの導入を成功させる3つのコツ」の前提として、「導入をはじめる準備」が重要であることを詳しくお伝えしました。

適切な導入準備はその後の導入ステップ、定着化に大きな効果を与え、成否を決めるといっても過言ではありません。クラウドサービスの導入には多くの事前準備が必要となりますが、ゴールをしっかりと見据え着実に抜け漏れのない準備を行っていきましょう。

もしも、「クラウドサービスの種類が多すぎて、どれが自社に最適なのか分からない……」「自社の導入目的や課題が明確にならない……」「初めてのクラウドサービス導入なのでスケジュールの策定がうまくいかない……」などのお悩みを抱えている際は、まずはお気軽に弊社にご相談ください。無料相談を随時承っております。

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