クラウドサービス導入の進め方③:導入成功のコツ

23/09/11 |Blog クラウドサービス導入の進め方③:導入成功のコツ

<目次>

確実な導入と定着を実現するためにお役立てください

クラウドサービスの導入を成功させるコツでは、導入を成功させる3つのポイントコツを簡単にご紹介いたしました。

「クラウドサービス導入の進め方」シリーズ最後の本記事ではこの3つのコツをより詳しく分かりやすく掘り下げ、「クラウドサービス導入の進め方①」「クラウドサービス導入の進め方②」と併せて読むことで、皆様が確実なクラウドサービスの導入と定着を実現できるように作成いたしました。こちらと併せてぜひ最後までお読みいただければ幸いです。

絶対に外せない3つの重要なポイント

”POINT”と書かれた積み木

クラウドサービスの導入準備・導入までのステップの中でも特に重要なものを、3つのポイントとして取り上げます。

  1. 導入の目的を明確にする


    クラウドサービスの導入に関わらずどんなプロジェクトにも共通して言えることですが、目的の明確化が最も重要です。クラウドサービス導入の目的を立てることはすなわち、クラウドサービス導入のゴール地点を明確にすることを指し、一貫したプロジェクトの実行に欠かせない要素です。

    ゴールがあいまいだと、プロジェクトメンバーとシステムのユーザーの認識や方向性がバラバラになり、システムを導入したのにも関わらず現場定着がせずに一時的な取り組みに終わってしまいます。

    では、導入の目的を明確にするにはどのような手順を踏めばよいのでしょうか?
     
    1. 目的とゴールを分けて考える
      単に導入の目的を明確にするだけでは十分とは言えません。そこで、目的のほかにゴールを設定することが重要です。

      目的とゴールの違いは以下の通りです。
      • 目的 :最終的に実現すること
      • ゴール:目的が実現できている状態を測る基準

      また、目的の立て方の方法の一つとして、「SMARTの法則」と呼ばれるものがあります。これは「具体的・計測可能・現実的に達成可能・関連性・期限が明確」の頭文字をとって命名された有名な法則です。こちらも参考にすることでより強固な目的を設定することができます。
      関連)SMARTの法則について

    2. なぜこのシステムでなければならないのかを明確にする
      「クラウドサービス導入の進め方①」でも触れましたが、重要なポイントであるため改めてお伝えさせていただきます。

      クラウドサービスの数は今や数千種類に上るとされ、その規模はますます拡大しています。そんな中で自社に合ったクラウドサービスを選び出すことは大変難しいかと思います。

      そこで、目的を明確にするうえでは「なぜこのシステムでなければならないのか」を明らかにすることが重要です。単に「業務効率化したいから」等のあいまいな目的は必ず揺らいでしまい、目指すべき方向が分からなくなってしまいます。自社の課題を抽出し、「この課題を最も良く解決できるのはこのシステムだから導入する」というように、各種クラウドサービスの機能比較表などを参照しつつ、自社に最もマッチしたシステムを選ぶようにすればおのずと目的も明らかになってきます。
  1.  
  2. 社内推進体制を構築する


    システムの導入は、構築作業だけでなく、スケジュール管理やシステムを利用する現場ユーザーとの調整など、様々な対応がつきものです。そしてこれらをたった一人の担当者が対応することは不可能です。したがって、メンバーを集めプロジェクトチームを結成することが成功への第一歩となります。

    プロジェクトチームは以下の4つの立場のメンバーで結成しましょう。
     
    1. 決裁者
      クラウドサービスの導入目的を周知し、現場理解を得ることに責任を持つ役割の方がいる必要があります。また、現場責任者・プロジェクトリーダー・構築担当者・ユーザー全員の現状を正しく認識する必要もあります。プロジェクトリーダーによるプロジェクト立上げを承認し、人材調達、資材購入、見積、その他組織運営に影響があると思われる事柄に対し、プロジェクトリーダーから相談を受け、検討・承認するようにしましょう。

    2. 現場責任者
      ユーザーの声を吸い上げて構築担当者へ届けたり、運用の調整をしてクラウドサービスの現場定着を促したり、使いやすさを確認したりすることが求められます。

    3. プロジェクトリーダー
      常に全体を見据えた進捗管理を行うことで遅延を防いだり、問題発生時に対応策を決定したり、構築担当者が構築作業に専念できるように他部署との調整を引き受けたりする役割が求められます。

    4. 構築担当者
      課題解決に向けた設計/構築を行い、ユーザーを教育して現場定着を促します。またユーザーの声を吸い上げた現場責任者の意見を参考に、ユーザーにとって使いやすいシステムとなっているのかを確認し、必要に応じて修正や調整を行います。
  3. スモールスタートを意識する


    はじめから100%完璧なシステムを構築するのではなく、まずは必要最低限の要件を満たした80%の完成度のシステムを構築するようにしましょう。システムを構築し実際に利用してみると、必ず課題や修正点が発生します。はじめから100%完璧なシステムを作ってしまうと、こうした課題が出てきた際に修正することは困難になります。修正の難易度や工数が膨らみ、実際にシステムを安定して利用できるまでにさらに時間を要してしまうため、業務の遅延、非効率化を引き起こしてしまいます。

    そこで、次の3点を踏まえたスモールスタートを意識するようにしましょう。

    1. 範囲を絞って小さくはじめる
      繰り返しになりますが、最初からすべての範囲を構築してしまうと構築にかかる工数が大きくなるのはもちろん、影響範囲もその分大きくなり修正が煩雑になってしまいます。

      一方で、範囲を限定し最低限の要件で構築すれば、構築にかかる工数を削減できるだけでなく、影響範囲が限定的であるため修正点が見つかった際の修正にかかる工数も削減することができます。

    2. 改善のサイクルを回し大きく育てる
      課題を解決しつつ徐々に完成度を高めていくイメージで、「80%の完成度で構築」⇄「課題を発見&見直し」のサイクルを回すことを意識しましょう。このサイクルを素早く何度も回すことで最終的な修正を減らし、完成度の高い自社に合ったシステムへと洗練させていくことができます。

    3. ゴールと期限を明確にする
      スモールスタートを意識し、構築⇄見直しのサイクルを回すことは重要ですが、サイクルを素早く何度も回す事だけに注力し、その都度見直しをするだけでは最終的なゴールを見失ってしまう危険性があります。したがって最終的なゴールを見据え一貫した構築⇄見直しを心がけましょう。

      また、スモールスタートのゴールを設定することも重要です。最終的なゴールに向けたマイルストーンとして小さなステップを積み上げていきましょう。最後にスモールスタートの期限を明確にしましょう。期限を意識することで構築⇄見直しのサイクルを素早く何度も回すことができるようになります。

      以下に、各ゴールと期限の具体例を挙げます。
      • 最終的なゴール     :営業の案件管理から請求・入金管理までをアプリ上で一貫して行う
      • スモールスタートのゴール:案件情報を登録して、商談履歴の管理と見積書発行を行う
      • 期限          :YYYY年MM月DD日

分からない際はご遠慮なくご相談ください

今回はシステムの導入を成功させる3つのコツを、より詳しく分かりやすくご紹介させていただきました。

まだ「クラウドサービス導入の進め方①:導入準備」「クラウドサービス導入の進め方②:導入ステップ」をお読みでない方は、ぜひこちらと併せてご覧ください。クラウドサービス導入の進め方の全容が明らかになると思います。

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