#8 「稼働率が50%から70%に上がったら、いくら投資できますか?」— Dsync投資回収の考え方
「IoTを入れたい」ではなく「稼働率を20%上げたい」と語れていますか?本記事では、稼働率向上を金額換算し、Dsyncの初期・月額コストの投資回収シミュレーションを具体例つきで解説。稟議資料にそのまま使える考え方をご紹介します。
この記事を読むと分かること
- 「IoTを入れたい」ではなく「稼働率を20%上げたい」と言語化することの重要性
- 稼働率の改善が、金額ベースでどれくらいのインパクトを生むかの試算方法
- Dsyncの初期費用・月額費用を何年で回収できるかの考え方
IoT導入の検討で、最も難しいのが「投資対効果」を言語化することです。
「稼働率が見える化できる」「ちょこ停が減る」「集計の工数が減る」。
これらが価値であることは分かっていても、「それで、いくら儲かるのか」「何年で元が取れるのか」と聞かれると、答えに詰まってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、この「投資対効果」をシンプルに言語化する考え方をお伝えします。
社内で稟議を通す際の、武器にしていただければと思います。
「稼働率が50%から70%に上がったら」と語る
IoT導入のメリットを「見える化」という言葉で語ると、経営層からは「それで、いくら儲かるのか」と聞かれてしまいます。
説明している側も、しどろもどろ。
「見えるようになる」という効果は、直接的な金額に換算しにくいからです。
では、言い換えてみましょう。
「もし、うちの工場の機械の稼働率が50%から70%に上がったら、いくら投資できますか?」
この問いには、二つの意味があります。
一つは、「稼働率の向上」が「追加生産能力」としての金額価値を持つということを、経営層も含めて明確にすること。
もう一つは、その金額を指針に、いくらの初期投資まで許容されるかを逆算することです。
例えば、中規模工場の場合
具体的に、中規模の製造業を例にして考えてみましょう。
- 主要生産設備:20台
- 1台あたりの生産可能量(1日8時間・週5日稼働・稼働率100%時):仮に月500個とする
- 製品単価・限界利益率:製品によって異なるが、ここでは簡略化のため「製品1個あたりの利益貢献3万円」と仮定する
現状の稼働率が50%とすると、実際の生産量は月250個/台、全体20台で5,000個。
これが70%に上がると、生産量は月350個/台、全体20台で7,000個。差分は2,000個です。
これを金額に換算すると、月2,000個 × 3万円 = 月6,000万円の追加利益貢献という計算になります。
年間で見れば、約7.2億円です。
もちろん、これはあくまで「生産能力」の話です。
受注がそこまで伸びるかどうかは別の問題です。
しかし、そのうち6〜7割、つまり4〜5億円分を実際に追加で受注できると仮定すれば、それを初期投資のボリュームとして計算することができます。
Dsyncの費用感
Dsyncのコストを見てみましょう。
初期費用200万円・月額20万円が目安です(IoTデバイスをレンタル契約する場合)。
仕様・規模によって変動するため、あくまで一般的なオーダーのケースとしてご理解ください。
5年間で見れば、200万円 + 20万円 × 60ヶ月 = 1,400万円の総投資です。
これを、先ほどの稼働率向上による追加利益と比較してみます。
仮に、実際に追加で受注できる4〜5億円の、さらに半分しか実現できなかったとしても、追加利益は年間約2億円です。
初期投資は1ヶ月で、1年分のランニングコストは半年で回収できる計算になります。
3つの規模で見る投資回収シミュレーション
規模によって計算は変わるため、3つのケースで見てみましょう。
以下はいずれも「仮計算」として、効果感をつかんでいただくためのものです。
ケース1:小規模工場(5台規模)
生産能力の伸びしろは全体の1/4。仮に月間追加利益貢献1,500万円だとすると、年間で1.8億円です。
Dsyncのコストを見ると、投資回収期間は極めて短い計算になります。
ケース2:中規模工場(20台規模)
先ほどの計算で見たように、年間追加利益は7.2億円(6〜7割の実現でも4.3〜5億円)。
Dsyncのコストと比較すると、初期投資は数カ月で回収可能な計算になります。
ケース3:大規模工場(50台規模)
追加利益の規模はさらに大きくなるため、投資回収期間はさらに短くなる傾向があります。
ただし、規模が大きいほどデバイス費や設置費が上乗せになり、実際の回収期間は個別の見積もりで確認する必要があります。
大事なのは「最悪シナリオ」も見ておくこと
ここまでの計算は、うまくいった場合の話です。
現実には、稼働率が思ったほど上がらない、改善活動が進まない、受注が伸びず追加生産能力を活かせない、というケースも十分あり得ます。
そこで、稟議資料には「最悪シナリオ」も記しておくことをおすすめします。
例えば、「稼働率は1%しか上がらなかった」「データは見えるようになったが、具体的な改善にはつながらなかった」というケース。
この場合でも、「見えるようになった」という事実は残ります。
これを「次の一手のための情報インフラ」と位置づけて、月額のランニングコストを許容できるか、という考え方を持つことが大切です。
「初期投資の規模を抑える」という選択肢
もう一つ重要な考え方として、初期投資の規模を意識的に抑えるという選択肢を提示したいと思います。
Dsyncの仕組みは、導入する台数を柔軟に調整できます。
以下のような段階導入も可能です。
- ステップ①:まず主要設備の一部(1〜2台)にテスト導入
- ステップ②:効果を見て、3ヶ月後に5台、半年後に20台と拡張
- ステップ③:全設備への展開と、センサー追加などの高度化
この進め方のメリットは、初期投資を抑えながら、自社にとって本当に効果が出る形を見つけてから拡張できることです。
「全設備を一気にIoT化」という進め方を取ると、見込みが外れた場合に効果が出ないままダメージだけが大きくなってしまいます。
ROIだけで語らない、もう一つの視点
最後に、数値だけでは表せない「価値」にも触れておきます。
IoT見える化を始めた企業で多く語られるのは、「データで話せるようになったことを、金額に換算したらいくらになるんだろう」という話です。
現場と管理サイドの信頼関係、会議のやり直しの減少、新しい人が入ってきたときの指導のしやすさ、品質クレームへの説明しやすさ。
こうした「金額に換算できない価値」は、ROI計算には含めにくいものの、現場の記憶や会社の体質に長期的に作用します。
稟議資料に1項目加えておくと、「決してROIだけで見ていない」という観点を伝えることができます。
まとめ
Dsyncへの投資は、「見えるようになる」ことそのものではなく、その先に「稼働率をどれだけ上げられるか」という事業効果で評価します。
チョイデジでは、ご検討いただく企業様ごとに、適切な「ROI試算シート」を一緒に作成します。
設備台数、製品単価、限界利益率、現在の体感稼働率などをもとに、「自社でいくらのインパクトが見込めるか」を算出する資料です。
この試算シートは、そのまま社内稟議資料としてもご活用いただけます。
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「日報、ちゃんと書いてあるのに数字が合わない」— 紙の日報が抱える3つの限界(#2)
“ちょこ停”はなぜ見つからないのか — リーダーが現場を回っても掴めない停止時間の話(#3)
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#9 IoT導入の稟議を通す3つのコツ — 「データという証拠」で社内を説得する方法
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