#9 IoT導入の稟議を通す3つのコツ — 「データという証拠」で社内を説得する方法
IoT導入の稟議が通らないのはなぜか。4つの壁とその乗り越え方を解説。テスト導入で得た「自社の数値」を武器に、社内を説得する3つのコツを紹介します。
この記事を読むと分かること
- 「IoTを入れたい」ではなく「稼働率を20%上げたい」で語るコツ
- テスト導入で「自社の数値」を先に作り、話を通しやすくする技術
- 段階導入で初期投資のハードルを下げる進め方
IoT導入に興味を持っても、実際に導入まで辿り着く企業と、途中で止まってしまう企業がいます。
その違いは、実はとても分かりやすいところにあります。
「稟議を通せるかどうか」です。
担当者レベルで「これは良いかも」と思っても、社長や取締役、経理部門への説明が必要です。
そこで了解を得なければ、話は始まりません。
そしてこの説得のステップが、IoTの検討では意外と難しいと言われています。
この記事では、IoT導入の稟議を通すための3つのコツをご紹介します。
なぜIoTの稟議は通しにくいのか
まず、なぜこのテーマで記事を書いているかをお伝えします。
Dsyncをご提案した担当者の方から、「検討はしたいんですが、社内での説明がうまくいかないんです」という声を何度もいただいてきました。
理由を考えてみると、4つの壁が見えてきます。
- 効果がイメージしにくい:IoTは広い概念なので、「見えるようになる」と言われても「見えたらどうなるの」と返されてしまう
- 生産への設備投資ではない:生産設備への直接投資ではないため、効果を説明しにくい
- 投資対効果が言語化しにくい:「効果はあると思うんだけど」という伝え方になり、決裁者を動かせない
- 他社事例だけではダメ:「よそはよそ」「うちとは状況が違う」と言われると、返す言葉がない
この4つの壁を乗り越えるコツが、以下の3つです。
コツ①:テスト導入で「自社の数値」を持つ
他社事例や一般論で「見える化の価値」をいくら語っても、決裁者は「うん、よそはよそだろう」と思うだけです。
最強の説得材料は、自社の数値です。
「うちの工場で、実際にテスト導入してデータを取ってみたところ、稼働率は53%しかありませんでした。これをまず70%まで上げれば、月間○個、年間○円分の生産能力を確保できます」
こう言われると、決裁者の受け止め方が変わります。
他人の話だったものが、自分の会社の話になるからです。
チョイデジでは、まず2週間のテスト導入を推奨しています。
理由は、この"自社の数値"を先に手に入れられるからです。
テストで取れたデータは、そのままスクリーンショットとして稟議資料に貼るだけで構いません。
それだけで、「これがうちの現実です」と語れるようになります。
コツ②:投資対効果を「稼働率向上」の言葉で語る
コツ①とセットで使うテクニックです。
稟議資料を「IoTシステム導入提案」というタイトルで作ると、読まれた瞬間に「コスト話」になります。
決裁者の頭は「支払いはいくら?」「何カ月で元が取れる?」というモードに入ります。
議論の矛先も、費用に向かいがちです。
同じ資料を、「稼働率を20%上げるための提案」というタイトルにしてみてください。
中身は同じでも、読まれる際のモードがまったく違います。
「上がるの?」「どうやって?」「もし上がったら、いくら以上の利益インパクトがある?」という、事業成果の話になるのです。
表現を変えるだけのテクニックですが、会議での受け取られ方を大きく変えます。
同じように、「IoT導入」ではなく「設備稼働を上げる事業」、「データ取得」ではなく「改善活動の効果計測」という言い換えも効果的です。
チョイデジでは、ご提案資料を作成する際、この言い換えを意識的に行っています。
コツ③:段階導入で初期投資のハードルを下げる
3つ目のコツは、提案の仕方そのものを調整することです。
「全設備を一気にIoT化」という提案は、稟議を一気に重くします。
初期投資はリスクも大きく、決裁者も「うん、もうちょっと考えさせて」となりがちです。
これを、段階導入に仕組み直しましょう。
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ステップ1:まず1台〜2台をテスト導入して使います。初期費用ゼロ、月額4万円。
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ステップ2:効果を見て3ヶ月後に全設備へ拡張。初期費用200万円、月額20万円。
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ステップ3:効果を見て、センサーの追加や高度化などに進む。
※月額費用はIoTデバイスをレンタル契約する場合の費用です。詳しくはお問い合わせください。
この進め方のメリットは、各ステップで「止める選択肢」を持てることです。
ステップ1で効果が見えなければ、そこで評価し直せます。
決裁者から見ても、各段階で「もう一歩進むか」を判断できます。
結果として、リスクが大幅に下がります。
よくある、もう一歩の障害
以上の3つのコツを押さえても、まだ起こりうる障害がいくつかあります。
障害①:「応募した補助金がとりたい」
IT導入補助金や中小企業庁の補助金など、さまざまな補助金が利用できる可能性があります。
少しでも導入コストの負担を下げられるので、該当するものがないか必ず確認しましょう。弊社でもご案内できますのでお気軽にご相談ください。
障害②:「社内に詳しい人がいない」
IoTと言われるとソフトウェアやネットワークの話になり、製造業の担当者から見ると「よく分からないITソリューションを提案されている」という状況になりがちです。
しかし、Dsyncは「製造現場の人が使う」ことを前提に設計されています。
取付・設定・運用はチョイデジが伴走するため、「社内人材は不要」とも言える仕組みです。
この伝え方は、そのまま使えるはずです。
障害③:「現場の反発が怖い」
IT導入は、しばし現場の反発を招きます。
しかし、Dsyncは現場の負担をむしろ減らすシステムです。
日報記入が減り、何度も同じことを聞かれて仕事を中断されることも減ります。
「頑張りが見えていない」という状況も減ります。
この「現場のメリット」も、提案に含めて語るとスムーズに進みます。
チョイデジが稟議資料の作成も伴走
最後に伝えておきたいことがあります。
チョイデジでは、Dsyncのご提案をする際、社内稟議を通すための資料作成も伴走しています。
- 提案資料のタイトルとストーリー設計
- テスト導入で取れたデータの資料への落とし込み
- 段階導入計画の作成
- ROI試算の根拠シート作成
- 補助金応募対象可否の調査
担当者の方が「社内で説明しようがない」という状態にならないよう、「これを読んで説明してもらえれば、社長にも伝わる」と言えるレベルの資料を一緒に作ります。
まとめ
IoT導入の稟議を通すコツは、要約すると「自社の言葉で、事業効果を、ステップで語る」ことに尽きます。
- 他人の話ではなく、テストで取れた自社のデータで語る
- IoTやデータの話ではなく、稼働率や生産能力の話で語る
- 一気に全体導入ではなく、ステップを切ってリスクを下げて語る
これだけで、決裁者の反応は大きく変わります。
「検討はしたいんですが、稟議の取っかかりに不安がある」という方も、まずは2週間のテスト導入から始めてみてください。
そこで取れたデータが、あなたの社内説得の最も強い武器になります。
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次回
#10 まずは2週間、機械1~2台で試してみる — Dsyncテスト導入のすすめ
チョイデジ株式会社では、2週間のお試し導入から始められる製造業向けIoTサービス「Dsync」を提供しています。
1台から2台だけ、まず試してみたいというフェーズからご相談いただけます。
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